レゴ ニンジャゴー ザ・ムービー
またまた父と子の話で登場のレゴ3作目。レゴはお父さんとの関係になにか問題意識があるんでしょうか。いや父と子というか中心は父。父になりたくない、子をもちたくない、子がいてもかえりみたくない男の話3連発。2017年は「レゴ バットマン ザ・ムービー」でも家族をつくる勇気を持てない男ことブルースがヤダヤダーだってやだもんこわいもん!と文字どおりゴロンゴロンころがりまくりながらダダこねまくり(あそこかわいかったよね)、それでもなんとか立ち上がってロビンと疑似親子関係を結びました。1作目「LEGO ザ・ムービー」でも次元を超えたクライマックス、私も号泣でした。今回、「レゴ ニンジャゴー」のテレビシリーズは未見なのですが見てなくてもあんまり問題なかった、というのもたぶんTVシリーズより映画2作の系譜を引いてる、というか「LEGO ザ・ムービー」の父子テーマに「レゴ バットマン ザ・ムービー」のブルースを合体したような、率直にいってまたこれ…?みたいな感じだからです。
映画版の主人公はグリーンニンジャことロイド。ニンジャゴーを襲う悪のガーマドン卿の息子。TV版の主人公はレッドニンジャのカイだそうなので、わざわざ主人公をシフトしてきた。本当に父子ものをやりたいというレゴの熱い気持ちが伝わる。なぜそこまで。
今回のダメおやじことガーマドン卿。けっこう憎めないとこのあるカワイイおっちゃんなのですが、ひたすらワガママだし自分のことしか考えてないし、明らかに愛を求めているロイドを見て見ぬふりしている。声といいキャラといい息子(ロビン)の扱いといいレゴバットマンのブルースが転生した。約半年で。転生サイクルが早い。
おまえが生まれたときに就職して真人間になればよかったのに、俺は不器用だからその生き方ができなかった…という告白をするガーマドン卿。ちょっとイイ話みたいになってたけどロイドは顔面殴っていいよ。
鑑賞中ちょっと気絶してたとこもあるし、ストーリーはあまり触れないのですが、結局のところロイドがガーマドン卿に歩みよって和解するよね。めちゃくちゃやさしい世界だなガーマドン卿に。正直私だったら顔面とボディに一発ずつブローを入れないと和解できない。断罪が目的じゃないからいいんでしょうが、ちゃんとしてる子供のほうからどうしようもない大人をよしよしする光景わりとしんどくない? 私はしんどいです。ガーマドンは家族団らんする前に3日間くらい正座してきて。
ここまで3作とも、自分の好きなことや信条にかまけて子供をかえりみない父親に振り向いてほしい息子(そう3作とも息子、娘ではなく)の構図。レゴが特定の父親像をもってるのはわかったけど、なぜその一点に向けてメッセージを発しつづけるのかちょっと心配になってきた。
あとここまで3作とも女性キャラがえらく記号的(みんな口紅塗ってる)だし、話の中心でよしよしされるのが大人の男性だし、1作だけならともかく3作目ともなると、あっ御社はそういう感じで…?となってくる。次回作ではちょっとちがう切り口の冒険が見たいところです。
と辛口のことばっかり書いてきましたが、私は本作をまた見たいな~と思っています。モンスター描写がたいへん秀逸だからです。ニンジャゴーの世界を破壊する、おそろしい最終兵器モンスターの姿を見よ!
いいねこ映画だった…かわいい…